『タイル』への熱い想いをもつ七窯社

ものづくり日本
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七窯社とは

岐阜県多治見市にある「鈴木タイル店七窯社」は昭和24年に創業した美濃焼タイルの老舗です。

創業後は長年、建築用タイルに携わってきました。

しかしこの業界は、繁忙期と閑散期の差がとても著しく、七窯社もそれは同様であり、経営が厳しい時期もありました。

そんな変革を必要とする時代に、三代目代表取締役に就任したのは鈴木耕二さんでした。

プレスをしてタイルを形成する機械

まず鈴木さんが決意したのは、閑散期といった第三者を原因とする負の要素からの脱却でした。

繁忙期のように我々を必要としていただける時期があるのならば、これからは自らその機会を創出しようと考えたのです。

しかし、それが経営者の独りよがりになってはいけません。

鈴木さんを突き動かしたのは、もっと一人ひとりに寄り添ったタイル造りを目指したいという強い意志でした。

七窯社が作成したタイルによって喜んで幸せを感じてもらう人をもっと増やしたい、そう思い始めたのがきっかけでした。

心がけたのは、自分たちの強みである伝統と技術を生かしつつ、世間一般の需要と合致した商品を提供したいということでした。そこで市場調査や実際に生の意見などをヒアリングする機会を設け試行錯誤を続けるうちに、地域の若いデザイナーとも関わる機会が増えました。

その後も市場調査などを継続していった結果、

「タイルで“空間”を彩る」→「タイルで“人”を彩る」

装飾の対象をこれまでの建造物ではなく、

ヒトにするという新たな挑戦を始めました。

焼き物である“タイル”を用いてアクセサリーを制作するという事は容易ではありませんが、土の性質、焼き物の特徴と長く関わってきた七窯社だからこそできる技術なのでした。

オリジナリティ溢れた表情をもつアクセサリー

七窯社は2014年より「地元の若き陶芸作家のデザイン」×「長年培ってきた技術をもつ七窯社」、それぞれの強みと特技を活かした装飾品の販売を始めました。

小さなタイルを使ったアクセサリー

若い陶芸作家の一人『ののむらみなみ』がデザイン、制作した作品は『まれもの』というブランドで販売されています。「まれもの」は英語で言うと「レア」です。

その言葉通り、作者が心を込めて1つしか生み出せないアクセサリーになります。

また、各窯元にて職人が制作したやきものを『かまもの』と言います。

ここでは『ののむらみなみ』がデザインを手がけ、それを七窯社の職人によって製作しています。若き才能のデザインを熟練の技術が形作るアクセサリーです。

職人さんによる手作業

そのほか、七窯社では地元で活躍している陶芸作家の方の商品も取り扱っており、

全てのアクセサリーは美濃焼の技術を活かし、すべて手作業で制作されています。

その繊細さと美しさ、日本の技術を駆使したアクセサリーはまさにこの中部地方唯一と言えるでしょう。

強い志を持った今後の目標

「人を幸せにする活動と仕事をしていきたい。」当代鈴木耕二さんの熱い志は留まることがありません。今は、2020年の「メゾン・エ・オブジェ」の出展に向けて準備しているそうです。「メゾン・エ・オブジェ」はフランスで年に2回行われる見本市、デザインウィークです。芸術の街でもあり、文化や国を大切にする国。そんなフランスにおいて、長年受け継がれた日本の伝統と技術は受け入れられるのでしょうか?高い目標ではありますが、日本人としての感性、タイルアクセサリーを海外の方にもっと知ってもらいたい、喜んでもらいたい。という熱い志を私も応援していきたいと思います。

鈴木社長
七窯社
「かわいい。ナチュラル。あたらしい。」ピアス、イヤリング、ブローチ、髪留めなどのやきものアクセサリーたち。美濃焼に、女性デザイナーの感性を。創業70年老舗タイル...